コークの翼




  1.新婚の朝


「おはようございます」
 ぼくは台所で朝食の準備をしていたバハラさんに挨拶をした。
「あら、早いのね。新婚なんだから、ガリソンと一緒にもっとゆっくりしていれば良かったのに」
「一応今日も仕事があるんですけどねぇ」
 からかうようなバハラさんの言葉に苦笑しながら、ぼくは台所へ行き、適当なコップに水を汲む。
「ガリソン、やっぱりダメだったの?」
「うめいています」
「そう。これじゃあカズエの方もダメそうね。2人とも父親に似てお酒弱いんだから……」
「昨日はすごい飲みましたからねぇ」
「ロルカ君も強いみたいね。晩酌相手には困らなくて済みそうだわ」
 またも苦笑しながら、コップを持ってぼくたちの寝室へ向かう。
 今のテーブルには、昨日飲み干したロン酒が5本ほど転がっていた。
 ……たしかに飲み過ぎだな。


「お〜い、ガリソン生きてる〜?」
「う〜〜〜〜〜」
 寝室に入って最初に聞こえたのはうめき声。
 もちろんぼくの妻であるガリソンの声だ。
「調子はどう?」
「う〜〜〜。頭ががんがんするぅ……。でもだいじょ〜ぶ」
 大丈夫って、どこがだよ……。
「……全然大丈夫そうじゃないね。水持ってきたけど飲める?」
「飲ませて〜。起こして〜」
 ふらふらのガリソンを支え起こして、持って来た水を飲ませてあげる。
「うん……、なんとかなってきたよ……」
「そう? じゃ、手を放すよ」
 予想通りぼくが手を放した途端、ガリソンはベッドに倒れ込んだ。
 ……ダメだこりゃ。


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